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三 国 志

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〇一三   魔王の最期





長安の新都 処刑場


「皇甫嵩、そして樊稠よ。よくも偉大なる魔王様を裏切ってくれたな。
貴様らには死、あるのみだ!!」
李儒
(りじゅ)


「無念だ……」
皇甫嵩
(こうほすう)


「そ、そんな。何かの間違いだ。おい、やめろ! やめてくれええええ!!」
樊稠
(はんちゅう)



長安の新都 呂布軍 陣営




「い、一大事だ大将! 魔王様に謀叛を企んだとして皇甫嵩、それに樊稠将軍が処刑されるっつー話だ!」
張遼
(ちょうりょう)


「!?」
呂布
(りょふ)


「左遷させられていた皇甫嵩はともかくとして、樊稠殿が謀叛だと?」
高順
(こうじゅん)


「ああ。なんでも馬騰(ばとう)・韓遂(かんすい)との戦いの時に、韓遂に内通して手心を加え、わざと逃したそうだぜ」
張遼
(ちょうりょう)


「…………hdsyio;;」
呂布
(りょふ)


「これは何かの間違いです。私はミスター董卓に抗議してきます。
……って、おやめください呂布将軍!」
陳宮
(ちんきゅう)


「魔王様はいったん決めたことを翻しはしない。
呂布将軍、抗議してもあなたの心証が悪くなるだけだ」
高順
(こうじゅん)


「…………」
呂布
(りょふ)



長安の新都 張繍軍 陣営




「なるほど、さすがは賈詡だ! このために樊稠に韓遂を攻撃させなかったのだな」
張繍
(ちょうしゅう)


「これで四天王のうち二人が欠けた。これからは貴殿がいっそう重用されるだろうな」
賈詡
(かく)


「よくやってくれた! 今後も俺のために働いてくれよ!」
張繍
(ちょうしゅう)


「ああ、任せておくがいい。
(小生の野望のためには、踏み台は高ければ高いほどいい。
まずは張繍、貴殿を高い踏み台へと作り替えてやろう……)」
賈詡
(かく)



長安の新都 王允邸

貂蝉
(ちょうせん)

王允の娘



「まずいことになった……。我々とともに董卓暗殺を画策していた皇甫嵩将軍が処刑されてしまうとは」
王允
(おういん)


「ああ。将軍のことだから口は割らなかっただろうが、これをきっかけに我々の存在が知られる可能性は高い」
士孫瑞
(しそんずい)


樊稠将軍が処刑されたのも痛いな。董卓の暗殺後、彼は残党をまとめ上げられる器を持っていた。
彼がいれば混乱を最小限に抑えられたろうに」
王允
(おういん)


「暗殺の算段すら立っていないのに、その後のことをとやかく言ってもしかたあるまい。
それより――」
士孫瑞
(しそんずい)


「! 待て、そこにいるのは誰だ!?」
王允
(おういん)


「ほほほ。わらわです、父君」
貂蝉
(ちょうせん)


「貂蝉か。驚かすでない」
王允
(おういん)


「父君、いつまで迷われているのですか。
わらわが最前から申しているでしょう。董卓ごとき、わらわにお任せあればいつでも首を取って参ると。
女のわらわならば、董卓も油断するに違いありませんわ」
貂蝉
(ちょうせん)


「し、しかし娘のお前にそのようなことをさせるわけには……」
士孫瑞
(しそんずい)


「いや、私たちの計画が露見すれば、貂蝉も連座して処刑されるのだ。
どうせ失う命ならば貂蝉よ、父に預けてくれるか?」
王允
(おういん)


「おほほほほ。はじめからわらわはそう申しているではありませんか」
貂蝉
(ちょうせん)


「済まぬな貂蝉。だが案じるな。お前がしくじれば、私もすぐに後を追う。お前を一人では死なせんぞ」
王允
(おういん)


「そんな湿っぽいことを言っては成功する物もしませんわ。
父君は枕を高くして吉報をお待ちくださいな」
貂蝉
(ちょうせん)



長安の新都 宮廷 宴会場




「フハハハハハ! 酒が足りぬぞ! もっと持って来ぬか!」
董卓
(とうたく)


「それでねー陛下ー。この前、村祭りをしてた連中を皆殺しにしたんだよー。
牛裂きの刑にしたんだけどチョー楽しかったー」
董白
(とうはく)


「そ、そうか。あははははは……」
献帝
(けんてい)


「…………」
呂布
(りょふ)


「どうした呂布? せっかく吾輩が宴を開いてやったのだぞ。もっと楽しそうな顔をせんか!」
董卓
(とうたく)


「hhdkl;:]:」
呂布
(りょふ)


「とてもエンジョイしています。しかし化粧のせいでわからないようですね、私の笑顔が」
陳宮
(ちんきゅう)


「魔王様、踊りを披露したいという女が参っていますが、いかがなさいますか」
李儒
(りじゅ)


「美女ならば通せ! ブスならば首を持って来い!」
董卓
(とうたく)


「おほほほほ。そんなつれないことをおっしゃられるな」
貂蝉
(ちょうせん)


「おお美女だ! 良いぞ良いぞ。近う寄れ近う!」
董卓
(とうたく)


「おほほほほほ。それではもっと近くで……刺させて頂きます」
貂蝉
(ちょうせん)


「!? 何をするか貴様ァッ!!」
董卓
(とうたく)


「しくじった……」
貂蝉
(ちょうせん)


「誰の差し金だ! お前も黒幕も氷人形にしてやろうか!!」
董卓
(とうたく)


「ghla;op@@@@@」
呂布
(りょふ)


「すこし待ってくださいミスター董卓。彼女は確かに悪いことをしました。
しかし女性を殺すのは良くないことです。少なくとも私の故郷ではね」
陳宮
(ちんきゅう)


「なんだとぉ~!? 呂布、お前は樊稠のような無能のくせに吾輩に逆らうのか。
ならばお前の首を寄越せ!」
董卓
(とうたく)


「お、お待ちください! 呂布将軍をこんなことで殺すなんて――」
陳宮
(ちんきゅう)


「通訳の分際で吾輩に意見するのか? そういえばこの前も口を出したな。
いいだろう、呂布の代わりにお前の首を差し出せ!」
董卓
(とうたく)


「!?」
呂布
(りょふ)


「わ、わかりました。それで呂布将軍を許して頂けるのならば……」
陳宮
(ちんきゅう)


「げっへっへっ。兄貴、俺が首をはねてやるよ。呂布もこの通訳も前から気に入らなかったんだ。
……ん? なんだ呂布。邪魔をする気か?」
董旻
(とうびん)


「hjl;::ppppppppp!!」
呂布
(りょふ)


「こ、このファッキン野郎、ミスター陳宮からその薄汚い手を放せ!」
陳宮
(ちんきゅう)


「ぐわああああああっ!?」
董旻
(とうびん)


「な!? り、呂布の謀叛だ! 取り押さえろ!」
李儒
(りじゅ)


「FXCK FXCK FXCK!!」
呂布
(りょふ)


「ふ、ファッキン雑魚ども、黙るのです。この程度は謀叛とは言いません。
謀叛とはこういうことを言うのです。それを今からお見せします」
陳宮
(ちんきゅう)


「ち、血迷ったか呂布!? は、話せばわか――ぎゃあああああああああああ!!!!!」
董卓
(とうたく)


「きゃああああ! おじい様が!!」
董白
(とうはく)


「と、董白様! 早くお逃げ下さい!」
李儒
(りじゅ)


「呂布! よくぞやった! 今だ! 董卓の配下を皆殺しにしろ!」
王允
(おういん)


「心ある者は我々に続け!!」
士孫瑞
(しそんずい)


「大将! とうとうやっちまったな! この時をずーっと待ってたぜ! 董卓軍を殺しまくってやらぁ!」
張遼
(ちょうりょう)


「董白! こっちだ! 逃げるぞ!」
牛輔
(ぎゅうほ)


「えええええん! パパー!」
董白
(とうはく)


「牛輔が逃げ出したぞ! 追え!」
高順
(こうじゅん)


「おほほほほ。逃がしませんことよ」
貂蝉
(ちょうせん)


「ぬうう、こうなればお前だけでも道連れにしてくれる!」
李儒
(りじゅ)


「きゃあああぁっ!!」
貂蝉
(ちょうせん)


「ああっ! 貂蝉! おのれ李儒め!」
王允
(おういん)


「ぐわっ!! 魔王様……いまお側へ参りますぞ……」
李儒
(りじゅ)


「よくも貂蝉を……ッ! 絶対に許さん! 貴様ら根絶やしにしてやる!!
王允
(おういん)


「あ……ああ…………」
献帝
(けんてい)


「gjskk;d::]]i」
呂布
(りょふ)


「陛下、心配しないで下さい。私があなたの安全を保証します。
なぜなら私は紳士です。女性と子供は守ります。いつもそう心掛けているのです」
陳宮
(ちんきゅう)


「…………董卓……」
献帝
(けんてい)





かくして呂布は董卓を殺した。
魔王はあっけない最期を迎え、遺された残党たちはどう動くのか?
はたして覇権は誰の手に渡るのか?




〇一四   賈詡の暗躍