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三 国 志

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〇一八   強襲!人中の呂布





濮陽(ぼくよう)

郝萌
(かくぼう)
曹性
(そうせい)

呂布の家臣

呂布の家臣


「鉄球ごときで俺に勝てると思ったか! 俺に勝ちたきゃ呂布をつれてきな!」
夏侯惇
(かこうとん)


「くっ! これが夏侯惇か!」
高順
(こうじゅん)


「どけ高順! オレがやってやらあ!」
張遼
(ちょうりょう)


「張遼待つですの。まともに打ち合ったら夏侯惇ちゃんには勝てないですの。
そんな時は彼ですの。曹性ちゃーーん!」
郝萌
(かくぼう)


「任せろ萌タン! 喰らえ夏侯惇!」
曹性
(そうせい)


「ぐわあッ! ひ、左目を射抜かれたか……」
夏侯惇
(かこうとん)


「一騎討ちに水を差してすまぬな。だがこれも戦いだ。――捕らえよ!」
高順
(こうじゅん)


「ちきしょう……」
夏侯惇
(かこうとん)



譙(しょう)

典韋
(てんい)

曹操の護衛


「夏侯惇が捕らえられたじゃと?」
程昱
(ていいく)


「あはは。さすがは呂布軍、強い強い」
荀彧
(じゅんいく)


「ずいぶんと余裕だな。何か策でもあるのか?」
韓浩
(かんこう)


「いいえ、とんでもない。相手はあの呂布ですよ。留守番の少ない兵力じゃ太刀打ちできません」
荀彧
(じゅんいく)


「……せめてここから逃げ切れる策だけでも出して欲しいものだな」
韓浩
(かんこう)


「ああ、そのくらいならお安い御用です。典韋!」
荀彧
(じゅんいく)


「呼んだが? ジュンイグ?」
典韋
(てんい)


「いいか典韋。この線から先に、敵を通すな。一人もだぞ」
荀彧
(じゅんいく)


「わがっだ!」
典韋
(てんい)


「じゃあ後は典韋に任せて我々は逃げましょう。
殿も徐州から戻っていると連絡が入りました。まずは殿と合流です」
荀彧
(じゅんいく)


「あ、あ奴は大丈夫なのか?」
程昱
(ていいく)


「いたぞ! 逃がすな!」
成廉
(せいれん)


「そら典韋! 線を踏んだぞ!」
荀彧
(じゅんいく)


「ごのおぉぉぉぉぉ!!」
典韋
(てんい)


「こ、これは……短刀? 短刀を連射しているのか?」
成廉
(せいれん)


「と、とても近づけないですの!」
郝萌
(かくぼう)


「落ち着け。短刀など無限に持っているわけではない。
投げ切った所に攻め込めば……」
高順
(こうじゅん)


「ぞらぞらぞらぞらぞらぞら!!」
典韋
(てんい)


「……今度は石ころを投げ始めたぜ。しかも短刀と変わんねー威力だ」
張遼
(ちょうりょう)


「い、石が無くなったら我が軍の兵を投げています」
成廉
(せいれん)


「gfkkl;f778zcx!」
呂布
(りょふ)


「彼に関わるのはやめなさい! 彼を迂回して進むのです!」
陳宮
(ちんきゅう)


「あれ? えーど。線のずっど向ごう側を通られぢゃっだら、どうずんだろ?
……ジュンイグに聞いでごよう」
典韋
(てんい)



譙(しょう) 呂布軍 陣営


「ひゃっひゃっひゃっ。夏侯惇なんて大したことなかったぜ。
俺が左目を射抜いてやったら、ヒイヒイ泣いてやがった!
そう考えると夏侯惇に苦戦してた高順も、実は大したことないんじゃねえかって――。

んん? なんだよ、後ろを指差して。後ろに何がいるってんだよ」
曹性
(そうせい)


「左目を返せ」
夏侯惇
(かこうとん)


「ば、バカな!? どうやって牢屋を抜け出したんだ!」
曹性
(そうせい)


「抜け出すのなんかどうってことはねえ。お前を探すほうが骨が折れたぜ。
――で、誰がヒイヒイ泣いてたって?」
夏侯惇
(かこうとん)


「お、おい、俺を置いて逃げるなよ。や、やめろ夏侯惇。
ヒイイイイイイイイ!!」
曹性
(そうせい)


「左目を引っこ抜いただけで泣き叫んでんじゃねえよ。
……ったく。死にやがったぜこいつ。目ん玉一つがそんなに痛いかねえ」
夏侯惇
(かこうとん)



譙(しょう) 呂布軍 陣営



「僕が戻るまでよく持ちこたえてくれたね。礼を言うよ。
なあに、奪われた城は取り戻せばいい。被害が最小限でよかったよ」
曹操
(そうそう)


「…………」
夏侯惇
(かこうとん)


「なんだい夏侯惇君。男前になったからって、それを見せつけないでくれたまえ」
曹操
(そうそう)


「俺はもとから男前だ!」
夏侯惇
(かこうとん)


「冗談だよ、そう怒るな。自分で脱出して、ついでに左目の仇も討ってくるなんてさすが夏侯惇君だ」
曹操
(そうそう)


「フン。そんなことより呂布軍はどうする。俺を捕らえるような強者ぞろいだぜ」
夏侯惇
(かこうとん)


「張邈」
郭嘉
(かくか)


「そう、厄介なのは呂布軍の強さだけじゃない。呂布軍が張邈君の大軍を擁していることだ」
曹操
(そうそう)


「それならば、張邈と呂布を切り離しましょう。もともと張邈は殿と同盟を結んでいましたし、臆病な性格です。
今回もきっと、呂布に無理強いされて兵を挙げたのでしょう」
荀彧
(じゅんいく)


「離間の計か。ワシの得意とするところじゃな。
任せてくれれば、百の計略で張邈と呂布を疑心暗鬼に陥れて見せよう」
程昱
(ていいく)


「いや、それには及ばない。ここに来る途中に、北の空を見てきた。
僕らが動かずとも、天が張邈君の裏切りを許さないようだ」
曹操
(そうそう)


「どういうことだ?」
曹洪
(そうこう)


「つまり、これから忙しくなるのは君や曹仁君、夏侯淵君じゃない。
韓浩君、君だよ」
曹操
(そうそう)


「俺が? ……そうか、読めたぞ。イナゴだな」
韓浩
(かんこう)


「そう、イナゴの大群が北からやってきているんだ。
イナゴは張邈君の兵糧を食い尽くすだろう。だが僕らは屯田策で大量の米を蓄えておいたし、
もともと民兵の青州黄巾軍は、イナゴの害をさほど受けないだろう」
曹操
(そうそう)



譙(しょう) 呂布軍 陣営

侯成
(こうせい)

呂布の家臣


「…………jhfhsfal;990」
呂布
(りょふ)


「私の故郷にはこのような虫はいませんでした。彼らはまるで悪魔です。
それともこれは、天が私に怒っているのでしょうか。
ミスター張超を無理やり動かし、戦いへと向かわせた私にです」
陳宮
(ちんきゅう)


「おいおい大将、しっかりしてくれよ。これは天意なんかじゃねーよ。
単なる虫だ。虫がお天道様の使いのわきゃねーだろ」
張遼
(ちょうりょう)


「ああ、虫がたまたま通りかかっただけだ。そこに誰かの意思は介在していない」
高順
(こうじゅん)


「もともと小勢の我々は、多少の兵糧を失っても影響はありませんが……」
成廉
(せいれん)


「……………………」
張邈
(ちょうばく)


「……………………」
張超
(ちょうちょう)


「立ったまんま失神してんなこりゃ」
張遼
(ちょうりょう)


「無理もない。張邈殿らの軍は壊滅的状態だ。仲間同士で兵糧の奪い合いも始まっているらしい」
高順
(こうじゅん)


「もう張邈ちゃんたちの兵は借りられないですの。ボクらだけで曹操ちゃんと戦うことになるですの」
郝萌
(かくぼう)


「黒山賊だって、俺たちだけで倒したんだ。同じことだろ」
侯成
(こうせい)


「fghjsdkals;;999」
呂布
(りょふ)


「いいえ。それは違います。ミスター曹操とブラックマウ……黒山賊は比べ物になりません。
ミスター曹操はずっと強いのです。我々だけでは勝てないでしょう」
陳宮
(ちんきゅう)


「どこかに落ち延びるしかあるまい」
高順
(こうじゅん)


「つくづく根無し草だなオレらは。で、今度はどこに行くよ?」
張遼
(ちょうりょう)


「ldghalsda98810」
呂布
(りょふ)


「徐州の領主はとても心の広い方だと聞きました。彼を頼りましょう」
陳宮
(ちんきゅう)


「なるほど。我々が曹操の背後を攻めたおかげで、徐州が救われた面もあります。受け入れてくれるかも知れませんね」
成廉
(せいれん)


「mvklzxiaso81cvjk」
呂布
(りょふ)


「ミスター張邈、ミスター張超、とてもお世話になりました。
あなた方ご兄弟の親切は忘れません。どうかご無事で」
陳宮
(ちんきゅう)


「……………………」
張邈
(ちょうばく)


「……………………」
張超
(ちょうちょう)



徐州(じょしゅう)


「だからこの予算はこっちに回して、ここを削ればいいのよ。
まったく帳面も満足に書けないのかしらここの連中は」
張飛
(ちょうひ)


「徐州に来て以来、張さんはイキイキしとるのう」
劉備
(りゅうび)


「姉御肌の世話好きな性格だからな。徐州はだらしない連中ばかりでうれしいんだろ」
簡雍
(かんよう)


「曹操軍が引き上げてからも、なんやかやと手伝ってるんじゃから驚くわ」
劉備
(りゅうび)


「劉備殿! 張飛殿! 陶謙様がお呼びです」
陳珪
(ちんけい)


「おう、陶さんは寝込んでたけど大丈夫か?」
劉備
(りゅうび)


「実はそのことで……とにかくお越しくだされ」
陳珪
(ちんけい)



徐州(じょしゅう) 陶謙寝室



「ほっほっごほげほ。年は取りたくないものだな、劉備殿。
単なる風邪をこじらせて、このザマじゃ」
陶謙
(とうけん)


「おいおい、起き上がらんで寝とくんじゃ。それで、わしらに何の用じゃ」
劉備
(りゅうび)


「他でもない、私が死んだ後のことだ。私はもう長くあるまい。
だが曹操は引き上げただけで脅威は去っておらんし、何より私には跡継ぎがない。
そこで、だ」
陶謙
(とうけん)


「そ、そこで?」
劉備
(りゅうび)


「誰にこの徐州を任せればいいかを、私はつぶさに観察してきた。
みなをまとめる統率力、豊富な知識、曹操の大軍にも引かない武勇、その全てを兼ね備えたのは一人しかいない」
陶謙
(とうけん)


「いやあ、そこまで褒められたら照れるのう」
劉備
(りゅうび)


「私の亡き後、どうか徐州の刺史になってくれ……張飛殿」
陶謙
(とうけん)


「                         」
劉備
(りゅうび)


「………………え? アタイ?」
張飛
(ちょうひ)


「まあ、そりゃそうだろうな」
簡雍
(かんよう)


「はっはっはっ。張飛殿ならば我々に異存はありませんよ」
糜竺
(びじく)


「徐州は張飛殿に救われたようなものですからな」
孫乾
(そんけん)


「陶謙様、ご安心下さい。我々が張飛殿を支えます」
曹豹
(そうひょう)


「………………」
劉備
(りゅうび)


「なんだいなんだいアタイをそんなに持ち上げちゃってさ。アタイはそんな大した人間じゃありゃしないよ。
でも、そこまで言うんだったらアタイも女さね。腹をくくって、この徐州を守ってやろうじゃないの!」
張飛
(ちょうひ)


「………………」
劉備
(りゅうび)


「めでたい」
関羽
(かんう)


「おっ。関羽、やっとまともなこと言ったじゃないの!」
張飛
(ちょうひ)


「………………わしが張さんの家臣に……」
劉備
(りゅうび)





かくして張飛は新たなる徐州刺史となった。
一方、献帝は董卓に続き李稚然らによって傀儡の座についていた。
だが幼き皇帝は、胸にある決意を秘めていた。




〇一九   献帝脱出