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三 国 志

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〇二三   裏切りの呂布





徐州(じょしゅう)宴会場



「あっはっはっ。なーに勘違いしてんのよ。
あたいはノンケも構わず喰っちゃうような肉食系女子じゃないわよ。
お酒の相手をして欲しいだけ。ただし一晩中ね」
張飛
(ちょうひ)


「そ、そうでしたか。私はてっきり……」
成廉
(せいれん)


「ホッ……ですの」
郝萌
(かくぼう)


「まったく、何を不安がっていたのだお前たちは」
高順
(こうじゅん)


「…………」
関羽
(かんう)


「いやー関羽の大将いいわ! なんつーの、男は黙って酒を飲むみたいな。
オレはついつい手も口も出ちまうからさ、大将みたいな男に憧れんだよ」
張遼
(ちょうりょう)


「どうだい呂さん、楽しんどるか?」
劉備
(りゅうび)


「ghjdklsa;::879kl」
呂布
(りょふ)


「久しぶりのことです。こんなに楽しくお酒を飲めるのは。
私も部下も大変感謝しています。あなた方を頼ってよかったと思いますよ。心からね」
陳宮
(ちんきゅう)


「堅っ苦しいことは抜きにしようや。天下無双の呂さんと一緒に酒が飲めるなんて、
わしらも光栄なことじゃからな」
劉備
(りゅうび)


「dfjk9736vl;o」
呂布
(りょふ)


「あなたもご兄弟も立派な方です。あなた方がうらやましいと思います。
私もあなたをブラザーと呼んで仲間入りしたいくらいです」
陳宮
(ちんきゅう)


「ほんなら呂さんももうわしらの兄弟じゃ!
呂さんが一番年上じゃから、わしらを弟じゃと思ってくれて良いぞ」
劉備
(りゅうび)


「…………」
曹豹
(そうひょう)



徐州



「歓迎してくれてるのはうれしいですの。
でもこんなに毎日毎晩、宴会に付き合わされたら困るですの。血がお酒に入れ替わったみたいですの……」
郝萌
(かくぼう)


「呂布将軍や高順殿、張遼はウワバミだからいいが、俺たちは付き合いきれんな……」
侯成
(こうせい)


「ウップ、ですの。吐きそうですの……。先に帰っててですの……」
郝萌
(かくぼう)


「ああ、大丈夫か? 少し夜風に当たって行け」
成廉
(せいれん)


「ふらふらですの……。このままじゃ張飛ちゃんにお酒で殺されるですの……」
郝萌
(かくぼう)


「……ならば先に殺してしまえばいい」
笮融
(さくゆう)


「だ、誰ですの?」
郝萌
(かくぼう)


「……先に殺してしまえばいい。
……吾の目を見よ。
……先に殺してしまえばいい」
笮融
(さくゆう)


「…………先に殺してしまえばいいですの」
郝萌
(かくぼう)



徐州



「袁術(えんじゅつ)軍が攻めてきた?」
張飛
(ちょうひ)


「はい。配下の孫策が南方を平定したおかげで、北の徐州に兵を向ける余裕ができたようです」
孫乾
(そんけん)


「フン、上等じゃないの。関羽、劉備! 踏んづけてきてやりなさい」
張飛
(ちょうひ)


「わ、わしらだけか? 張さんは出ないのか?」
劉備
(りゅうび)


「あたいが出陣しちゃったら誰が徐州の統治すんのよ。アンタが代わりできんの?」
張飛
(ちょうひ)


「そりゃあ無理じゃ」
劉備
(りゅうび)


「あんなニセ名族なんてあたいがいなくても楽勝でしょ? さっさと行ってきなさいよ」
張飛
(ちょうひ)


「dajkld7145cvl」
呂布
(りょふ)


「私に提案があります。その戦いをぜひ手伝わせて下さい。お世話になっているお礼にです」
陳宮
(ちんきゅう)


「それなら大将が出るまでもねーよ。オレと成廉が加勢してくらぁな」
張遼
(ちょうりょう)


「はい、せっかく落ち着いたのです。呂布将軍は骨休めしていてください」
成廉
(せいれん)


「関さんに遼さん、おまけに成さんか。はははっ。こりゃ無敵じゃのう。
じゃあちょっくら行ってくるわ」
劉備
(りゅうび)



徐州 夜



「ふう、劉備がいないだけで仕事がはかどるわね。
あのスカポンタンと来たら何かと面倒を起こして邪魔するんだから」
張飛
(ちょうひ)


「張飛ちゃん……。お酒を持ってきましたですの」
郝萌
(かくぼう)


「んん? 気が利くじゃないの。でもごめんね、あたいは仕事中は酒を飲まないって決めてんの。
遠征軍の兵站とかいろいろ考えなきゃいけないから、今日は宴会も開けないわ」
張飛
(ちょうひ)


「……ならば、先に殺してしまえばいいですの」
郝萌
(かくぼう)


「は?
ち、ちょっと何よこの連中は。刀なんておっ下げて何のつもり!?」
張飛
(ちょうひ)


「……先に殺してしまえばいいですの」
郝萌
(かくぼう)


「ま、まさか呂布軍の反乱!? 冗談じゃないわよ!!」
張飛
(ちょうひ)



徐州 呂布陣営




「fjk90k;;9-0!?」
呂布
(りょふ)


「これはなんの騒ぎですか? 誰と誰が戦っているのですか?」
陳宮
(ちんきゅう)


「誰かが張飛を襲ったそうだ。襲った奴らは口々に『ですの』と言ってるそうだが……」
侯成
(こうせい)


「……どう考えても郝萌ではないか。しかしなぜ郝萌が」
高順
(こうじゅん)


「り、り、り、呂布め! よくも我々の好意を裏切ったな!」
曹豹
(そうひょう)


「ghjkas9081」
呂布
(りょふ)


「ミスター曹豹、これは誤解です。いま原因を究明しているところです。
決して我々は敵意を持っていません。あなた方には」
陳宮
(ちんきゅう)


「何を白々しいことを言うか!
連日連夜のどんちゃん騒ぎに、浪人の分際でずうずうしくも我々の主君を弟呼ばわり。
お前らが恩を恩とも思っていないことは明白ではないか!
我々も丁原(ていげん)や董卓や袁紹のように殺すつもりであろう!」
曹豹
(そうひょう)


「いや、だから袁紹は殺していない」
高順
(こうじゅん)


「袁紹は殺していない? ならばお前らは袁紹の従弟の袁術と通じているのだな!
徐州を乗っ取り、袁術に明け渡すつもりか!」
曹豹
(そうひょう)


「あんたちょっとうるせえよ!」
侯成
(こうせい)


「あがあああっ!!」
曹豹
(そうひょう)


「侯成! 何も殺すことはなかろう」
高順
(こうじゅん)


「い、いやそんなつもりじゃ……。べらべらしゃべってるところを殴ったから、
たまたま舌を噛んだだけだ」
侯成
(こうせい)


「ちょっとアンタたち説明しな……曹豹……」
張飛
(ちょうひ)


「…………最悪だ」
高順
(こうじゅん)


「sdfaklssg89766」
呂布
(りょふ)


「ミスター張飛、これは誤解なのです。我々は決して――」
陳宮
(ちんきゅう)


「問答無用!」
張飛
(ちょうひ)


「afjkslio0899!」
呂布
(りょふ)


「戦ってはいけません! 話せばわかります。どうか剣を抜かないで下さい」
陳宮
(ちんきゅう)


「……殺してしまえばいいですの」
郝萌
(かくぼう)


「また来たわね! アンタだけは許さないんだから!」
張飛
(ちょうひ)


「キャーーーーですの!」
郝萌
(かくぼう)


「萌タン! てめえよくも!」
侯成
(こうせい)


「かくなる上はもう衝突を抑えられますまい。呂布将軍、徐州を乗っ取りましょう」
高順
(こうじゅん)


「ooh......」
呂布
(りょふ)


「このまま我々だけ逃げ出しては遠征に同行している張遼や成廉、兵たちが危ない。
徐州を乗っ取り彼らを迎え入れるしかないのです」
高順
(こうじゅん)


「…………sadfjk90dfjls」
呂布
(りょふ)


「わかりました。ただしミスター張飛や彼の兵はあまり傷つけないようにして下さい」
陳宮
(ちんきゅう)


「無論です。城に火をかけろ! そうすれば張飛は兵を引くはずだ!」
高順
(こうじゅん)


「張飛殿! 城に火の手が上がりました!
もはや持ちこたえられません。退却し、遠征中の関羽殿らと合流しましょう」
孫乾
(そんけん)


「んぐぐ……」
張飛
(ちょうひ)


「呂布殿も城が欲しいでしょうから、このまま焼け落とさせはしないでしょう。
今のうちに早く逃げるのです」
糜竺
(びじく)


「しかたないわね……。退却よ! 関羽たちと合流するわ!」
張飛
(ちょうひ)


「よし、敵は去った。追撃はするな。急いで城の火を消せ」
高順
(こうじゅん)


「萌タンの仇をみすみす見逃すのかよ!?」
侯成
(こうせい)


「言うな。我々は望んで城を乗っ取るのではない。これ以上の戦いは無意味だ」
高順
(こうじゅん)


「チッ……」
侯成
(こうせい)


「……呂布よ」
笮融
(さくゆう)


「fjksal;apwhoareyou?」
呂布
(りょふ)


「何者だ!?」
陳宮
(ちんきゅう)


「……感謝しろ。根無し草のお前に城を与えてやった」
笮融
(さくゆう)


「!? ……jska9as17xzcla]」
呂布
(りょふ)


「さてはあなたですね。ミスター郝萌をそそのかし、こんな事態を巻き起こしたのは。
なんと余計なことをしたのでしょうか、あなたは!
私はしません。感謝していないのです。今すぐ去りなさい、ここを!」
陳宮
(ちんきゅう)


「……そうか」
笮融
(さくゆう)


「呂布将軍? どちらへ行かれるのですか」
高順
(こうじゅん)


「fhak;ao@:ak」
呂布
(りょふ)


「ミスター高順、私は行かねばならない場所があります。
少しこの場を任せます。心配いりません。私はすぐに戻るでしょう」
陳宮
(ちんきゅう)



揚州(ようしゅう)

陳蘭
(ちんらん)
雷薄
(らいはく)

袁術の配下

袁術の配下



「張飛軍が逃げるぞ! 追撃をかけろ!」
陳蘭
(ちんらん)


「ヒャッホー! 皆殺しだぜい!」
雷薄
(らいはく)


「逃げるしかない! 逃げるしかないんじゃが……でも、どこへ行けばいいんじゃ」
劉備
(りゅうび)


「徐州は呂布に乗っ取られたからなあ。
でも張飛は脱出してこちらに向かっているそうだ。張飛と合流しよう」
簡雍
(かんよう)


「………………!?」
関羽
(かんう)


「お、おい! あれを見るんじゃ!」
劉備
(りゅうび)


「………………」
呂布
(りょふ)


「り、呂布!?」
楽就
(がくしゅう)


「jsfa;ds:;o;kk」
呂布
(りょふ)


「袁術軍に伝えることがあります。
ここから先に進むことは許しません。もしあなた方がそれでも進もうというのなら、
私が相手になります。私が戦うのです」
陳宮
(ちんきゅう)


「り、呂布と戦うだと? 冗談ではない! 引き上げるぞ!」
楽就
(がくしゅう)


「退却? 冗談きついぜ将軍! 俺はまだブッ殺し足りねえよ!」
雷薄
(らいはく)


「私は張飛軍と戦うことを命じられたのだ!
呂布軍と戦うことは任務に入っておらん! 退却だーーッ!」
楽就
(がくしゅう)


「なんと弱気なことを……」
陳蘭
(ちんらん)


「り、呂布がわしらを助けた……?」
劉備
(りゅうび)


「asjsls;dopplkl」
呂布
(りょふ)


「ミスター劉備。いろいろと誤解がありました。
私は心ならずも弟さんの治める徐州を乗っ取りました。
しかし、もし許して頂けるならば返却したいのです」
陳宮
(ちんきゅう)


「は? せっかく乗っ取った徐州を返すじゃと?」
劉備
(りゅうび)


「騙されんじゃないわよ劉備!」
張飛
(ちょうひ)


「張さん!」
劉備
(りゅうび)


「呂布は本性を現したのよ。アンタのことも曹豹みたいに騙し討ちする気に違いないわ!」
張飛
(ちょうひ)


「jakldasil」
呂布
(りょふ)


「私は――」
陳宮
(ちんきゅう)


「アンタを信じたアタイが馬鹿だったわ。
アンタの言葉なんてこれ以上聞く気はないわ! 今すぐここから消えなさいよ!」
張飛
(ちょうひ)


「………………」
呂布
(りょふ)


「…………なんか呂布のヤツ、悲しそうな顔じゃったな」
劉備
(りゅうび)


「フン。白塗りの下で何を考えてるのか得体が知れないわよ。
……それよりこれからどうする?」
張飛
(ちょうひ)


「そうじゃなあ。今度は誰を頼ろうかのう」
劉備
(りゅうび)


「どこに落ち延びるにしろ、アタイは今度のことですっかり懲りたわ。
やっぱりアタイは人の上に立つ器じゃないのよ。
誰かを上に立てて、二番手でいるのがいいわ」
張飛
(ちょうひ)


「ふーん。つまり張さんは軍師タイプってことじゃな」
劉備
(りゅうび)


「そうそう、今後は軍師様と呼びなさいよね。
ってことで劉備。これからはアンタを御主人様ってことにしといてあげるわ」
張飛
(ちょうひ)


「えー。せっかく気楽にやっとったのにのう」
劉備
(りゅうび)


「あっはっはっ。城を失ったというのに明るい方々だ。安心しましたよ」
糜竺
(びじく)


「糜竺、アンタもついてきてたの?
アンタは大富豪なんだから、徐州に残ってればよかったのに」
張飛
(ちょうひ)


「あっはっはっ。お金を儲けるより、みなさんと一緒にいる方が楽しそうですから」
糜竺
(びじく)


「金を持つと人間は余裕ができるんじゃなあ」
劉備
(りゅうび)


「私や糜竺の他にも、劉備様たちを慕って多くの者が逃れてきています。
どこへなりとついていきましょう」
孫乾
(そんけん)


「そんなら今度は西へでも行ってみるかのう。
曹操のヤツとか最近、羽振りがいいみたいじゃし、受け入れてくれるかもしれんわ」
劉備
(りゅうび)





かくして呂布は心ならずも徐州を乗っ取った。
一方、献帝を擁する曹操も着々と版図を広げつつあったが、
そこに忍び寄らんとする陰謀の影があった。




〇二四   宛城の戦い