アイコン
三 国 志

トップページに戻る

〇三二   関羽千里行





白馬城 南

周倉
(しゅうそう)
廖化
(りょうか)
裴元紹
(はいげんしょう)

元・黄巾賊

元・黄巾賊

元・黄巾賊



「父上と二人旅は初めてです。こんな時になんですが、うれしく思います」
関平
(かんぺい)


「…………」
関羽
(かんう)


「曹操は劉備様への帰参を許してくれましたが、ここはまだ敵地です。
劉備様がおられる汝南(じょなん)への道も遠いですし、用心して参りましょう」
関平
(かんぺい)


「…………」
関羽
(かんう)


「さすが父上! お前などに言われるまでもないということですね。
差し出がましいことを申しました」
関平
(かんぺい)


「!」
関羽
(かんう)


「む! 怪しい一団がこちらに向かって来ます。
止まれ! 何者だ!?」
関平
(かんぺい)


「誓って怪しい者じゃありやせん。それがし姓を周、名を倉と申すしがない黄巾賊あがりでございやす。
後ろに控えたるは同じくかつての賊仲間。一同お願いあって参りやした」
周倉
(しゅうそう)


「我々は高名なる関羽殿に仕えたく、ここに参った次第である!
関羽殿に会えて俺は感動している!」
廖化
(りょうか)


「劉備んとこへ帰るんだろ? 俺たちも連れてってくれよ」
裴元紹
(はいげんしょう)


「……父に仕えたいとは殊勝な心掛けであるが、見れば怪しい風体の者ばかり。
おいそれと信用するわけにはいかんな。そうですよね父上?」
関平
(かんぺい)


「…………」
関羽
(かんう)


「これは私の考えがあさはかでした!
黄巾賊風情がなにを企もうと、この関羽に危害を加えることは不可能だと言いたいのですね!

――おい、お前たち。同行を許すが、もしくだらない考えを抱いてみろ。
父の手をわずらわすまでもない。この関羽が一子・関平の槍のサビにしてくれるからな!」
関平
(かんぺい)


「我ら一同ただただ関羽殿を慕うのみ。お天道様が西から上がろうとも裏切ることはございやせん」
周倉
(しゅうそう)


「もし怪しい素振りを見せたら即座に斬り捨てるがいい!」
廖化
(りょうか)


「でも馬泥棒くらいは見逃してくれんだろ? っていうかこの馬も盗んできたものなんだけど」
裴元紹
(はいげんしょう)


「…………」
関羽
(かんう)


「お前たちがこの関羽を信頼するならば、関羽もまたお前たちを信頼しよう!
……と父はそう思っている。父の度量の深さに感謝するがいい!」
関平
(かんぺい)


「…………」
関羽
(かんう)



東嶺関(とうれいかん)

孔秀
(こうしゅう)

東嶺関の守将



「関所が見えてきやした。
あれは東嶺関と言いやして、汝南へ行くには必ず通らなくてはならない五つの関所の一つ目でさあ」
周倉
(しゅうそう)


「なるほど。だが父は曹操から許可を得ている。すんなり通れるはずだが――」
関平
(かんぺい)


「待て! 俺は東嶺関の守将・孔秀だ。
貴様ら通行手形は持っているか? 手形の無い者を通すわけにはいかん」
孔秀
(こうしゅう)


「これは異なことを申す! 我が父・関羽は曹操より劉備様への帰参を許されている。
帰参は許しても関所の通行を許さないとは何事だ!」
関平
(かんぺい)


「通行手形の無い者は誰であろうと通すわけにはいかん」
孔秀
(こうしゅう)


「やいやい門番さんよ! この御方はどこからどう見ても関羽将軍じゃねえか。
将軍の顔が手形代わりだ。おとなしく道を空けな!」
裴元紹
(はいげんしょう)


「規則は規則である。通りたくば手形をもらってくるんだな!」
孔秀
(こうしゅう)


「なんと聞き分けの悪い……! かくなる上は力ずくでも押し通るのみ!」
廖化
(りょうか)


「!」
関羽
(かんう)


「父上お待ちを! こんな小者相手に父上が腕をふるうまでもありません。
この関平が引き受けました!」
関平
(かんぺい)


「たったの五人で関所を破るだと? 血迷ったか貴様ら!」
孔秀
(こうしゅう)


「周りの雑魚は我々が引き受けやす。関平殿はあいつに集中してくんなせえ」
周倉
(しゅうそう)


「ありがたい! 行くぞッ!」
関平
(かんぺい)


「ははははは! そんなか細い槍でこの鉄壁の守りは貫けんわ!」
孔秀
(こうしゅう)


「まだまだぁ!」
関平
(かんぺい)


「何度やっても無駄だ!」
孔秀
(こうしゅう)


「まだまだまだまだぁッ!」
関平
(かんぺい)


「う、うおおっ!? こ、これは盾の一点に集中して刺突を加えているのか!?」
孔秀
(こうしゅう)


「まだまだまだまだまだまだまだまだぁぁッッ!」
関平
(かんぺい)


「た、盾が集中攻撃を受けた一点から砕けて――ぎゃあああ!!」
孔秀
(こうしゅう)


「見たか! 虚仮の一念、岩をも通す! 関平が槍が盾を貫いたぞ!」
関平
(かんぺい)


「敵は門を開いて中に逃げてるぞ! 今のうちに通るんだ!」
廖化
(りょうか)


「…………」
関羽
(かんう)



洛陽(らくよう)の関所

韓福
(かんふく)

洛陽の関所の守将



「第二の関所が見えてきた。すでに我々が東嶺関を破った知らせは届いているだろう」
廖化
(りょうか)


「ってことは、俺たちはお尋ね者ってことだな。すんなり通してくれそうにねえな」
裴元紹
(はいげんしょう)


「元はと言えば融通の利かない孔秀とやらが悪いのだ。
今度の門番もぐずぐず言うようなら、関所破りするまでだ!」
関平
(かんぺい)


「ほっほっほっ。これはこれは関羽様とその御一行様。ようこそいらっしゃいました。
聞けば先の東嶺関では無礼を働いたとのこと。お詫び申し上げましょう」
韓福
(かんふく)


「これは丁寧なご挨拶いたみいる。それではこの洛陽の関所は通してもらえるのだな?」
関平
(かんぺい)


「それはもちろんでございます。ささ、お早くお通りください。
…………今です、射ちなさいッ!!」
韓福
(かんふく)


「くっ! 騙し討ちとは卑怯な!」
廖化
(りょうか)


「ほっほっほっ。関所破りに遠慮はいたしません。
いかな関羽様でもこの矢の雨は避けられますまい」
韓福
(かんふく)


「…………ッ!」
関羽
(かんう)


「ま、そんなことだと思ってやしたよ」
周倉
(しゅうそう)


「な!? い、いつの間に背後に!?」
韓福
(かんふく)


「最初からでさあ。それがし作り笑顔のお人は信用しないことにしていやす」
周倉
(しゅうそう)


「うぎゃあああ!!」
韓福
(かんふく)


「守将が討たれて矢の雨もやんだぞ。今のうちに通過しましょう父上!」
関平
(かんぺい)



沂水関(きすいかん)

卞喜
(べんき)

沂水関の守将



「これで二つの関所を破っちまったな。
もうこの先の関所では必ず襲われると思ったほうがいいだろうよ」
裴元紹
(はいげんしょう)


「早速、次の門番が出てきたな。有無を言わさず斬り捨てましょうか?」
関平
(かんぺい)


「あいや、待たれよ。私はこの通り丸腰だ。兵も連れてきていない」
卞喜
(べんき)


「……たしかに付近に兵の気配はないようだ」
廖化
(りょうか)


(! こ、こいつらよく見れば黄巾賊の連中ではないか!)
卞喜
(べんき)


「おや? 失礼だがあんたさん、どこぞで会ったような……」
周倉
(しゅうそう)


「い、いえいえ他人の空似でしょう。
そんなことより夜も近くなりました。どうぞ今夜は我が関所にお泊りください」
卞喜
(べんき)


「それは助かる。これまでの関所の連中もお前くらい分別があれば、殺さずに済んだんだがな」
関平
(かんぺい)


「…………」
関羽
(かんう)



沂水関 夜




「関羽が寝ているところを襲う計画だったが、まさかかつての黄巾賊の連中が同行しているとはな。
し、しかし私は黄巾賊にいた頃は常に仮面を着けていた。正体がばれることはあるまい……」
卞喜
(べんき)


「卞喜殿」
関平
(かんぺい)


「は、はい!?」
卞喜
(べんき)


「父が厠をお探しだ。どちらにあるのかな?」
関平
(かんぺい)


「そ、それでしたら、庭を通ってあちら側の小屋でございます」
卞喜
(べんき)


「わかった」
関平
(かんぺい)


(これは好機だ! いかに関羽といえども便所では無防備なはず!
先回りして待ち構えてやる!)
卞喜
(べんき)



沂水関 厠




(さあ来い、いま来い、早く来い……。
来たな! 死ね関羽!)
卞喜
(べんき)


「うおおっ!? 何しやがんだてめえ!」
裴元紹
(はいげんしょう)


「な、お前は裴元紹! くそ、関羽の背丈で首を狙ったから外してしまった!
関羽はどうした! 便所を探していたのではないのか!?」
卞喜
(べんき)


「将軍は便所に行くのが面倒で中庭で用を済ませたぜ」
裴元紹
(はいげんしょう)


「なん……だと」
卞喜
(べんき)


「っていうかお前、なんで俺の名前を知ってるんだ?
……んん? その細い目は見覚えがあるぞ。さては卞喜だなお前!」
裴元紹
(はいげんしょう)


「ぐうっ! ばれたか!」
卞喜
(べんき)


「はっはっはっ。卞喜が便器の真似とは笑い話だな!
将軍を騙し討ちするつもりだったんだろうが、そうは行かねえぜ」
裴元紹
(はいげんしょう)


「こうなったらお前を口封じして計画を練り直すしかない。
行くぞ、卞喜バトルフォーム!」
卞喜
(べんき)


「どうしたどうした便器野郎! 門番に鞍替えして腕がなまったんじゃねえか?」
裴元紹
(はいげんしょう)


「く、くそ! たしかに腕力が落ちている。斧が重い……」
卞喜
(べんき)


「隙ありィ!!」
裴元紹
(はいげんしょう)


「あぎゃああああ! せ、せっかく地道に出世したのに……」
卞喜
(べんき)


「ケッ。便器野郎の墓場には便所がお似合いだぜ」
裴元紹
(はいげんしょう)


「…………」
関羽
(かんう)


「おお将軍! 安心してくんな、敵は一足先に片付けといたぜ!」
裴元紹
(はいげんしょう)


「…………」
関羽
(かんう)



滎陽(れいよう)の関所

王植
(おうしょく)

滎陽の関所の守将



「お手柄だったな裴元紹!」
関平
(かんぺい)


「いやいや、相手が元・黄巾賊の雑魚だったからな。運が良かったぜ」
裴元紹
(はいげんしょう)


「…………」
関羽
(かんう)


「どうされましたか父上? さては我々の活躍を喜んでいらっしゃるのですな。
我々がいるからには、父上に指一本触れさせません!」
関平
(かんぺい)


「四つ目の関所に差し掛かりやしたが……早速、門番が出てきてやすな」
周倉
(しゅうそう)


「俺の名は王植! 修行により鋼鉄の肉体を手に入れた男だ!
武器なんて捨ててかかってこいよ関羽!」
王植
(おうしょく)


「…………!」
関羽
(かんう)


「おおっ! なんという鍛え上げられた美しい肉体……。
これは負けてはいられん! 王植とやら! 我が筋肉も見よ!」
廖化
(りょうか)


「なんと! こんな強靭な筋肉の鎧をまとう男が他にもいるとは!
まるで鏡を見ているようだ……」
王植
(おうしょく)


「強靭なのは見た目だけではないぞ! それを今から思い知らせてやる!」
廖化
(りょうか)


「望むところだ! お前たち、手を出すなよ。これは俺の筋肉と奴の筋肉の戦いだ!」
王植
(おうしょく)


「うおおりゃあああああっ!!」
廖化
(りょうか)


「ぬううううううううんっ!!」
王植
(おうしょく)


「…………」
関羽
(かんう)


「敵は廖化と王植の戦いに見とれています! この隙に関所を突破しましょう!」
関平
(かんぺい)



黄河の関所

秦琪
(しんき)
陳到
(ちんとう)

黄河の関所の守将

旅の浪人



「いやはや、素晴らしい戦いだった! こんなにいい汗をかいたのは久しぶりだ!」
廖化
(りょうか)


「で、勝負には勝ったのか?」
裴元紹
(はいげんしょう)


「そんなことはどうでもいいことだ!
我々は磨き上げた肉体美を競い合った、それだけでよいのだからな!」
廖化
(りょうか)


「廖化と王植の謎の友情はともかく、いよいよ最後の関所が見えて来やしたな」
周倉
(しゅうそう)


「今度も敵軍は関所の外に布陣しているようです。
――おや、父上?」
関平
(かんぺい)


「…………」
関羽
(かんう)


「ついに父上自ら戦われるのですか! し、しかし父上が出るほどの相手では――」
関平
(かんぺい)


「おや? 待たれよ皆の衆。様子が何か変じゃねえかい」
周倉
(しゅうそう)


「ば、馬鹿な……この俺が……関羽ではなく、こんな浪人ごときに……」
秦琪
(しんき)


「またつまらぬ物を斬ってしまった……」
陳到
(ちんとう)


「ぐはぁっ!」
秦琪
(しんき)


「おいおい、関所の兵がみんな逃げ出しちまったぜ。あいつは何者だ?」
裴元紹
(はいげんしょう)


「む? そのヒゲ、その出で立ち……そちらに見えるは関羽将軍でござるか」
陳到
(ちんとう)


「…………」
関羽
(かんう)


「何者だお前は?」
関平
(かんぺい)


「拙者は陳到と申す旅の者。
この関所を通ろうとしたが、通行手形があるにも関わらず、
もうすぐ関羽が来るから関所を通すわけには行かぬと、理不尽に止められ申した。
いささか腹に据えかね、門番を斬り捨てた次第にござる」
陳到
(ちんとう)


「それにしても遠目に見ただけだが、すさまじい腕前であったな!」
廖化
(りょうか)


「拙者いまだ修行中の身。見苦しきものをお目にかけた非礼、許されよ」
陳到
(ちんとう)


「いやさ、この関平、正直言って恐れいった!
どうだ陳到殿、よければ我々と同道願えんか? それほどの腕を浪人のままにしておくのは惜しい」
関平
(かんぺい)


「天下にその名の轟く関羽将軍に誘われては、否とは申せますまい。
この半人前の剣であれば、いくらでもお貸し致そう」
陳到
(ちんとう)


「こいつは心強い味方ができやしたな! 劉備殿も喜ばれるでやしょう」
周倉
(しゅうそう)


「…………」
関羽
(かんう)



汝南 北部




「…………」
関羽
(かんう)


(か、関平さんよ、関羽将軍はどうしたんだ? さっきからすげえ不機嫌そうだぞ)
裴元紹
(はいげんしょう)


(そうか? 私にはいつもの父上に見えるが……)
関平
(かんぺい)


(たしかにどこか近寄りがたい雰囲気が漂っていやすな)
周倉
(しゅうそう)


(わかったぞ! 父上は五つの関所を越えてもなお油断していないのだ。
勝って兜の緒を締めよの言葉どおり、気を引き締めなおしているのだろう)
関平
(かんぺい)


(なるほど! さすが関羽将軍だ! 俺は感動したぞ!)
廖化
(りょうか)


「! 皆の者、誰か近づいてくるぞ」
陳到
(ちんとう)


「関羽! そこで止まってもらおうか」
夏侯惇
(かこうとん)


「お前は夏侯惇!」
関平
(かんぺい)


「まずは非礼を詫びるとしよう。
お前ほどの男を、五つの関所ごときで止められると思ったのが間違いだった。
あんな雑魚どもでは、関羽を討つことなど、どだい無理な話だ」
夏侯惇
(かこうとん)


「そりゃそうだ。関羽将軍どころか我々だけで片付きやしたもんな」
周倉
(しゅうそう)


「はじめから他人任せにせず、俺が出張ってくるべきだった。
関羽! お前を劉備のもとへ行かせては大きな災いとなる。ここで――」
夏侯惇
(かこうとん)


「!!」
関羽
(かんう)


「おお! 皆まで言わせず将軍のほうから飛びかかったぞ!」
裴元紹
(はいげんしょう)


「関羽てめえ! 話は途中だぞ!」
夏侯惇
(かこうとん)


「ッッ!!」
関羽
(かんう)


「問答無用ってわけか! 面白え!!」
夏侯惇
(かこうとん)


「あんなに鬼気迫る父上は初めて見る……。
まるでうっぷんが溜まりに溜まっていたようだ。
だが父上はここまでわずらわしい戦いを回避してきたのに、いったいなにがご不満なのだ?」
関平
(かんぺい)


「……戦えなかったのがご不満だったのではござらぬか」
陳到
(ちんとう)


「え」
関平
(かんぺい)


「たしかに水を得た魚のように暴れまわっているな……」
廖化
(りょうか)


「ッッッ!!!」
関羽
(かんう)


「これが関羽の実力か! 強すぎてうれしくなって来るぜ!」
夏侯惇
(かこうとん)


「待て夏侯惇の旦那! 戦いをやめろ!」
張遼
(ちょうりょう)


「!!!」
関羽
(かんう)


「うわっと! 早とちりすんなよ関羽の旦那! オレは加勢に来たんじゃねえ。止めに来たんだ」
張遼
(ちょうりょう)


「止めるだと?」
夏侯惇
(かこうとん)


「程昱(ていいく)のジジイに吐いてもらったぜ。アンタらの陰謀はここまでだ。
関羽の旦那が関所破りをしたのは、曹操の旦那も承知だ。
だが通行手形を渡し忘れたんだから、関所破りは咎めねえとよ。
関羽の旦那は無事に通行させろっつー命令だ」
張遼
(ちょうりょう)


「曹操め、余計な真似を……」
夏侯惇
(かこうとん)


「もしこれ以上、戦おうってんなら、夏侯惇の旦那がお尋ね者になっちまうぜ」
張遼
(ちょうりょう)


「……フン。曹操の命令には逆らわねえよ」
夏侯惇
(かこうとん)


「つーことで関羽の旦那、安心して通ってく――」
張遼
(ちょうりょう)


「!!!!」
関羽
(かんう)


「うおおっ!? ど、どうしたんだよ旦那! オレたちは戦わねえって――」
張遼
(ちょうりょう)


「ッッッッッ!!!!!」
関羽
(かんう)


「チッ! 聞く耳持たずか!」
夏侯惇
(かこうとん)


「ず、ずらかるぞ夏侯惇の旦那!」
張遼
(ちょうりょう)


「!!!!!!!!!!」
関羽
(かんう)


「父上…………」
関平
(かんぺい)





かくして関羽は五つの関と千里の道を越えた。
一方、劉備と張飛は汝南の地で孤独な戦いを続けていた。
はたして流浪の主従を待ち受ける次なる運命とは?




〇三三   皇帝への道